みずほフィナンシャルグループ、楽天証券への影響力拡大
みずほフィナンシャルグループ(以下、みずほFG)は、楽天証券への追加投資を行うことで出資比率を約2割から5割弱にまで引き上げることを決定しました。この戦略的投資により、楽天グループが直面する資金調達の課題に一定の解決策を提供するとともに、みずほの証券事業における競争力強化を図る狙いがあります。
楽天証券への900億円の巨額投資
みずほFGは楽天証券へ約900億円を投じ、持ち株比率を大幅に高めることで、両社間の業務連携をより一層深める方針です。この動きは、楽天証券の持株会社の上場断念という新たな事情が発生したことに起因しています。
資金調達戦略の変更
元々、楽天証券の持ち株会社である楽天証券HDは、新規上場を通じて約1000億円の資金を調達する計画でしたが、市場の状況変化に伴い、この計画は現実のものとなりませんでした。
楽天グループの財務状況と今後の展望
楽天グループは、モバイル事業への大規模な投資が財務を圧迫しており、赤字が続いています。そんな中での追加出資は、楽天グループにとって重要な資金源となり得ます。
追加出資のタイミングと意図
みずほFGによる追加出資は、楽天グループが資金調達の代替案を模索していた中で行われ、楽天証券のビジネスモデル変化への迅速な対応を可能にします。
みずほ証券と楽天証券の関係強化が株価に与える影響
みずほ証券は楽天証券との連携を通じて、顧客基盤の拡大を図ることができます。この戦略的な動きは、若年層を中心とした顧客層の獲得に貢献すると同時に、みずほFGの株価にもポジティブな影響を与える可能性があります。
資産運用市場での競争激化
インフレの進行と共に、個人投資家の資産運用への関心が高まっています。これにより、みずほFGは楽天証券のプラットフォームを最大限に活用し、競争が激化するネット証券市場でのシェアを拡大したい考えです。
若年層顧客獲得への影響
ネット証券市場における若年層は、金融商品に対するアクセス方法としてオンラインプラットフォームを好む傾向があります。みずほ証券と楽天証券の更なる協力は、この重要な顧客セグメントを捉える大きなチャンスを提供します。
参考
2023/11/09 日本経済新聞 朝刊 1ページ
前営業日のみずほフィナンシャルグループ<8411.T>の株価は?
みずほフィナンシャルグループ<8411.T>の相場分析を行います。前営業日のみずほフィナンシャルグループ<8411.T>株価は続伸。2479円で取引を終えました。
PERから見るみずほフィナンシャルグループ<8411.T>株価の適切な水準は?
PERとは株価収益率を表します。
私はいつもPERの水準で判断しています。PERは株価が1株あたりの純利益の何倍かを示し、成長期待に応じて値が大きくなります。
その理由は、PERは海外投資家の主な判断基準だからです。
実際、日本市場の7割は海外投資家によって売買されているためPERの判断基準は相場に反映されています。
次に、PERはEPSとセットで考えます。
EPSとは、1株あたりの利益を金額で表したものです。
株価=EPS×PERです。
前営業日のみずほフィナンシャルグループ<8411.T>株価のPERとEPSは
- PER: 10.29000001 倍
- EPS: 240.91 円
でした。
EPSが横這いならば企業の稼ぐ力は変わっていないことを意味します。
それでも株価が上がった場合はPERが上昇しています。
さて、PERから下記の基準が考えられます。
- PER: 11 倍: 2650.048588 円 →上値メド(楽観シナリオ)
- PER: 10 倍: 2409.13508 円 →妥当な水準の中心(楽観シナリオ)
- PER: 9 倍: 2168.221572 円 →下値メド(楽観シナリオ)
ボリンジャーバンドから見る株価は?
25日単純移動平均線(以下、25SMA)を用いて、標準偏差σを求めます。
このσを平均線に足したもの、引いたものがボリンジャーバンドです。
前営業日を含め25日間の株価の終値は
- 2023/11/13 2479.00
- 2023/11/10 2448.50
- 2023/11/9 2420.00
- 2023/11/8 2375.50
- 2023/11/7 2523.00
- 2023/11/6 2550.00
- 2023/11/2 2631.00
- 2023/11/1 2640.00
- 2023/10/31 2545.50
- 2023/10/30 2512.00
- 2023/10/27 2553.00
- 2023/10/26 2502.00
- 2023/10/25 2531.50
- 2023/10/24 2502.50
- 2023/10/23 2522.50
- 2023/10/20 2546.00
- 2023/10/19 2546.00
- 2023/10/18 2579.50
- 2023/10/17 2526.50
- 2023/10/16 2514.00
- 2023/10/13 2526.50
- 2023/10/12 2582.00
- 2023/10/11 2545.50
- 2023/10/10 2552.00
- 2023/10/6 2490.50
です。
ここから25SMAと標準偏差を求めます。
- 25SMA: 2,525.74 円
- σ: 57.01 円
以上を用いて-3σ~+3σを求めます。
25SMAに標準偏差の1倍~3倍の値を足したり引いたりするだけです。
- +3σ : 2697 円
- +2σ : 2640 円
- +1σ : 2583 円
- 25SMA : 2526 円
- -1σ : 2469 円
- -2σ : 2412 円
- -3σ : 2355 円
まとめ
- 2697 円 :ボリンジャーバンドで見た場合→+3σ
- 2650 円 :PER水準で見た場合→PER 11 倍(上限)
- 2640 円 :ボリンジャーバンドで見た場合→+2σ
- 2583 円 :ボリンジャーバンドで見た場合→+1σ
- 2526 円 :ボリンジャーバンドで見た場合→25SMA
- 2469 円 :ボリンジャーバンドで見た場合→-1σ
- 2412 円 :ボリンジャーバンドで見た場合→-2σ
- 2409 円 :PER水準で見た場合→PER 10 倍(中央)
- 2355 円 :ボリンジャーバンドで見た場合→-3σ
- 2168 円 :PER水準で見た場合→PER 9 倍(下限)
相場の予測はできません。しかし、いつでも買いと売りが50%の確率で動くわけではありません。異常な安値はいずれ修正され上がります。異常な高値はいずれ修正され下がります。
この異常な水準を見極め、確率的に優位なポジションをとることで、長期的に利益が上がります。そのため、この記事では株価の予想ではなく現在がどの水準にあるかを常に考えます。
※本ブログは筆者が学んだ相場分析、トレード・ノウハウをお伝えすることが目的です。読者の皆様への投資助言、推奨のようなことは一切行っておりません。読者の皆様が、本ブログの記事を参考にトレードなさり、損失を出されることがあっても、筆者はいかなる意味でも責任を負いかねますことをご承知おきください。
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